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《ヒロアカ短編集》角砂糖にくちびる

第3章 口溶けに恋して◉共通ルート



「相澤ァァアアアーーーーー!!!」

「見つけたぜショータ!!!」


相澤くんの舌打ちが聞こえた直後、食後の眠気とは無縁そうな二人が姿を見せた


「めぐも居たんだな!ってソレは・・!!」

「もももしかして、ショータに!?」


ソレ今日の・・!今日のアレだよな!?、
両手で顔を隠した二人が指の隙間から凝視した先は私の手にある小さな紙袋


ああ恥ずかしい

お願いだから大きな声で叫ばないで・・!


「ち、違うの!私先輩に振られちゃって!
 捨てようとしてた所を相澤くんが貰ってくれる
 って言ってくれて・・」

振られたことを盛大にカミングアウトする虚しさに襲われる私を他所に、その見慣れた掛け合いは始まった


「ハァン?抜け駆けか相澤ァ」

「お前には関係無いだろ」

食堂から教室に戻る人通りが徐々に増える中、
山田くんと相澤くんが睨み合う
間に立っている白雲くんだけがけらけらと人懐っこく笑っていた

「ひざしとショータ喧嘩しててウケるな!
 それ、俺にくれよ!」

「おい、お前は黙ってろ」

そう言って相澤くんが凄むと白雲くんが口を尖らせる

カバンに入り切らないほど貰ってる白雲クンは引っ込んでて下さーい、そう付け加えた山田くんは私に近付くと馴れ馴れしく肩を抱いた


「めぐ〜、オレまだ一個も貰えてねェのよ・・」

「え、意外!」

「嘘つけ、お前も山ほど貰ってたくせに」

まずその手を離せ、そう言った相澤くんの髪が徐々に逆立つ


「この中で貰って無いのは俺だけだろ」

「そ・れ・は!
 オマエが全部断ってっからだろォが!」

お返しが面倒だから貰わねェ、そう決めてんだよなァ?めぐのも断れよショーちゃんよォ?
私の肩から手を離した山田くんがサングラスをくいっと上げた

「こいつのはお返し不要だろ、捨てるつもりだったんだから」

「めぐ今の聞いた!?オレの方が絶対お得!」

「いい加減にしろ、殴るぞ」


相澤くん、完全に残飯扱い・・!
いやその通りなんだけど・・

今にも取っ組み合いそうな二人におろおろと私が慌てると
それを楽し気に眺めた白雲くんが突然、一際大きな声を出した


「よォーーし!!勝負だァァアアア!!!」

そう言って嬉しそうに笑った彼は腰に手を当て二人を見据える

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