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《ヒロアカ短編集》角砂糖にくちびる

第3章 口溶けに恋して◉共通ルート



「誰に食って貰いたいか、
 めぐに選ばれた奴の勝ちな!」

放課後、それぞれが別の場所でめぐを待つ、
選ばれなかった方は罰ゲーム!俺になんか奢れ!


「いや、あの、そんな大層な・・」

こういうのすっげェ楽しいよな!、
爽やかすぎる笑顔に圧倒された私の額に冷や汗が伝う


「お前ら場所どこにする?
 俺は体育館でめぐを待ぁーーつ!」

「朧、オマエは対象外だってェの!!!」



















「ほんと・・どうしよう・・」

午後の授業、全っ然集中できなかったな、、
大きく溜息をつき、机の横に掛けたそれを手に取る
袋の中を覗くと、可愛いこの箱を選んだ時のことが思い出されて涙が出そうになった

このまましれっと持って帰ろうかな、
いや、そんなことしたら明日何されるかわからないか・・


気持ちが定まらないまま荷物を纏め、教室を出る

右を向いて一歩踏み出して、くるりと回って一歩戻ってみたり
うろうろと怪しい動きを繰り返す自分が情けなくて廊下にへたり込んだ


「正解が、わからないよ・・」


大好きな先輩には受け取って貰えなかったけれど
何度も練習して、心を込めて作ったチョコレート

せっかくのご提案だもんね、
どうせなら美味しく食べてもらって成仏させてあげたい・・!


「よし、やっぱり食べて貰おう・・!」


先に声を掛けてくれた相澤くんの所へ行くべきなのかな、でも絶対ノーリアクションだしなぁ・・
下手したら味のダメ出しとかされそう・・

山田くんはその点感想もちゃんとくれそうだし褒めてくれそうではある、
でもすごい騒がれそうだよなぁ・・山田くん只でさえ目立つから、、


「選ばれなかった方は白雲くんに何か奢るんだっけ・・」

こうなったらもう体育館に行っちゃおうかな、
そう思った自分に苦笑を漏らしつつ

何となくだけれど心が決まったその彼の待つ場所へと
やっと一歩、足を踏み出した


はぁ、と息を吐き出すとそれが白く浮かんで消える

室内とは言え廊下は充分すぎるほど寒くて、
時折吹き抜ける風から柔いそれを守るように
私は小さな紙袋を大切に抱えた














→ ◉相澤END (P.27〜)

→ ◉山田END (P.32〜)


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