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《ヒロアカ短編集》角砂糖にくちびる

第1章 混じり合うそれに幾つかの◉白雲朧


混じり合った色も気付けば落ち着いて
そろそろ帰らないとな、そう思いながら
前に座る彼女の肩に顔を擦り寄せる

ぎゅっと腕に力を込めるとその顔が下を向いて
まだ離せる気がしねェなぁ、と紫色の空を睨んだ


「なぁー付き合うフリってさ、キスとかも」

「まさか、何もしてないよ!」


「でもひざしは、ここ触ってた」

小さな手に指を絡ませ、下から上にその腕に触れると彼女の頬が紅く染まった

「俺・・思ってたより、妬いてたのかも」

ここ数日の光景を思い出すと、もやもやとした感情が渦巻いていく

「ちょっ、やめ・・」

「ここ、とか」

膝から上にゆっくりと手を滑らせると彼女の身体が跳ねた

「触られて、ないよ・・!」


その髪も頬も肩も、俺のなのに

「じゃあ、どこ触らせた?」

ひざしが触ったとこ全部教えろよ、耳元で囁いて首筋に唇を寄せると彼女の口から甘い声が漏れて

「し、白雲くん、」


そんな顔で呼ばれたらもう



「わりぃ、色んな反動で止まんねェかも」









「ちょっと・・!ここ外だよ・・っ!」

「あ、背中痛かった?」

弾いた指の先に小さな雲を作った彼が、その上に私を乗せて

「ん、これで大丈夫だな!」

「快適さの問題じゃないです・・」

口付けの雨を降らせる彼を制止しようと伸ばした手は簡単に捕まえられ
その甲に唇が押し当てられると同時に
するり、と私のネクタイが外れた

「何して・・!」

「したくなっちゃうよなー、こういうこと」

観るモンは観てっから任せろ!、あまりにも爽やかに言われて言葉も出ない

上から三つ、ボタンを外したその手が制服に滑り込むと肩の紐を捕らえた

「お願い・・っ、一旦落ち着こ・・!?」

「、たぶん、無理」

今すぐシたい、そう言って目元を赤く染めた白雲くんの息が上がる
熱の籠った目がこれ以上無いくらいに私の身体を火照らせた


「は、反動のレベルじゃない気がしてきた・・!」

スカートに潜り込んだ大きな手が足を撫でる
それが恥ずかしくて、涙が出そうで


「俺も、脱いでいい?」

「だめ!絶対だめ!」

躊躇なく残りのボタンを外していく手を必死で止めると、彼が嬉しそうに笑った


「わかった、”俺は”脱がない」

「そういう意味じゃなくて・・!!」
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