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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第9章 未来から来た女 頼朝side




「済まないね
今晩の相手はもう決まっているんだ

そう言っての方を
チラリと見る


「いつまでも恥ずかしがってないで
おいで?」

何こわがってんだアイツは
仕方なくもう一度呼ぶと


『………………』

おずおずと2人の前に顔を出した

『あ、あの……いっ』

なにか言おうとしたが
口封じに足を踏んだ

すると涙目で睨んできた

(ちょっと付き合ってもらうぞ)

「その人は……」

『わっ』

後から抱きしめ
肩に顔を置くと
息を飲む音が聞こえた

「この娘が私の可愛がっている
娘だよ」

踊り子の女の顔がひきつった

「この娘が頼朝様の……?
ご冗談を……
頼朝様に釣り合いませんわ」


『むむー!』

早く誤解を解きたいのか
じたばたと暴れだす

(ったく)

すると
耳元の口を
耳の先をぱくりと
優しく噛んだ

ぴくっ

『んっ……』

(へぇ、いい声出すじゃねぇか)

「その言葉、私への侮辱と取って
いいのかな?」

「え?」

「私に女を見る目がないと
……そう言いたいのだろう」

「ち、違います!
それは………っ〜〜!」

悔しさのあまり
ギリっと歯ぎしりを立てる
慌てて取り繕うも
立ち去るしか道はないだろう

をキッと
睨むと失礼しますと
立ち去った

「あー、めんどくせぇ
お前、いい所に通りかかったな」

『むーー!!』

「おっと」

ぱっと腕から抜ける

『ぷはっ
ちょっと!なんで
あんなこと言ったんですか!!』

「わかるだろ?
あの女を断るためだ」

『それは分かりましたけど!
か、可愛がるとかっ、
あと、耳っに、………ぅー』

(──……)

赤くなった耳を抑えて
涙目で睨まれる姿を見て
少し可愛らしいと思ってしまった

(一応謝っとくか)

「悪かったな
なんなら詫びとして
ほんとに可愛がってやろうか」

『現実にしなくていいですから!
あと詫びる気ないでしょ!』

「なんだ残念」

『その顔……全っ然
残念そうじゃないですけど!?
それに…断る理由なかったんじゃ…
あんな綺麗な人』
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