第9章 未来から来た女 頼朝side

宴の最中に雨が降り
明日に延期することとなった

もともと2日間の予定だったから
不都合はないが

あいつはちゃんと休んでいるだろうか

しっかりしているようで
どこか危なっかしい

様子でも見に行くかと
部屋を出ようもすると
誰かが俺を訪ねた

(か？)

襖を開けると
見覚えのない女が1人

誰だと聞くと今日の宴で踊っていた女だった

(いたか？
こんな女……)

宴では家臣と話すか
側仕えと会話していた為
踊り子なんざはなから見ていなかった

中に入らせて欲しいと
懇願してくる女

(どうせこの女酒でも飲まして
既成事実でも作ろうとしてるだけだろ)

さてやんわり断るものの
中々しつこい女

すると小さな足音が聞こえ
ピタリと止まった

(なんでいるんだよ)

ここを通らないと部屋に帰れないのだろう
オロオロとこっちの様子を見ている

大方気づいてないとでも
思ってんだろうがあまいな

こうなったら
アイツをちょっとからかってやるか