第8章 急襲
(確か────)
*☼*―――――*☼*―――――
『狐憑きの力って
呪力を奪うんだよね』
「あぁ、だが
強いあやかしは何度か
奪わなければならないだろうな」
『一気に奪うのは無理なんだ…』
「そうだな
できないことは無いが
お前の身体に負担がかかる
慣れないうちは少しずつ削るといい」
*☼*―――――*☼*―――――
(少しずつ……か)
ぎゅっと拳を握り
あやかしを睨んだ
『…お願い!
狐憑きの力応えて!』
あの日のように
掌をかざしめいいっぱい
念じた
すると、黄金の光に包まれるように
あやかしの呪力を吸収した
『……っ!』
(できた!)
ふわりと靡く風が
髪の色の変化を気づかせた
『この分だと目の色も変わってるな……』
【ぐぁぁぁ!
何故…何故ただの人間が…!!
──お前誰かと契ったな!?】
『私を狙ったのが運の尽きよ!
これ以上奪われたくなかったら
ここから立ち去りなさい!!』
【ぐ、ぁぁぁ!】
「さん?」
『!?』
──────沙捺ちゃん!?
『危ない!逃げて!!』
「え?
その髪と目…どうしたんですか?」