第7章 夜這い

｢この娘が頼朝様の……？
ご冗談を……
頼朝様に釣り合いませんわ｣


『むむー！』
(失礼なっ！
確かに釣り合ってはないけど
ほんとに誤解だからっ)

早く誤解を解きたくて
じたばたと暴れだす

すると
耳元の口が
耳の先をぱくりと
優しく噛んだ

ぴくっ

『んっ……』

(な、に…………
すんのっ)

反応してしまった自分を
引っぱたきたいがても動かせない

｢その言葉、私への侮辱と取って
いいのかな？｣

｢え？｣

｢私に女を見る目がないと
……そう言いたいのだろう｣

｢ち、違います！
それは………っ〜〜！｣

悔しさのあまり
ギリっと歯ぎしりを立てる
慌てて取り繕うも
立ち去るしか道はないだろう

をキッと
睨むと失礼しますと
立ち去った

｢あー、めんどくせぇ
お前、いい所に通りかかったな｣

『むーー！！』

｢おっと｣

ぱっと腕から抜ける

『ぷはっ
ちょっと！なんで
あんなこと言ったんですか！！』

｢わかるだろ？
あの女を断るためだ｣

『それは分かりましたけど！
か、可愛がるとかっ、
あと、耳っに、………ぅー』

｢悪かったな
なんなら詫びとして
ほんとに可愛がってやろうか｣

『現実にしなくていいですから！
あと詫びる気ないでしょ！』

｢なんだ残念｣

『その顔……全っ然
残念そうじゃないですけど！？
それに…断る理由なかったんじゃ…
あんな綺麗な人』

(ちょっと怖かったけど)