第7章 夜這い
「酔ってしまって少しの間でいいので
頼朝様の部屋で休ませて頂けませんか?」
「他の部屋を用意させるよ」
「それが……
頼朝様に良くするよう
言われていまして……
どうか……」
そっと頼朝の腕に手を置く
普通の男であれば
喜んで部屋に招き入れるだろう
(良くするってなんだろ
一緒にお酒でも飲むのかな)
それにしても美人で
お似合いだなぁと思っていたら
頼朝が口を開いた
「済まないね
今晩の相手はもう決まっているんだ」
その時
頼朝の目がを捕らえた
(!?!?)
「いつまでも恥ずかしがってないで
おいで?」
(怖い怖い怖い!)
口元は笑っているのに
目は一切笑っていない
幽霊より下手したら怖い
「お・い・で?」
『………………』
逃げ場はないと確信したは
観念して2人の前に顔を出した
『あ、あの……いっ』
お邪魔なので部屋に戻りますねと
伝えようとしたら足で踏まれた
(いったぁ!何すんのこの人!
征夷大将軍だからって
人の足踏むな!)
「その人は……」
『わっ』
後から抱きしめられ
肩に顔を置かれる
耳に息がかかって擽ったい
「この娘が私の可愛がっている
娘だよ」
(はぁぁぁぁ!?)