第6章 側仕え
『え、ええと……』
(何かないかなえーと……)
「…この娘は俺の妹だ
1人で宋に置いてくるは
忍びなくてな
仕事はこれから探すそうだ
妹共々よろしく頼む」
(まさかの妹設定!?)
『あっ、
よ、よろしくお願いいたします!』
ばっと顔を下げると
強面の武士たちはニコニコと
挨拶を交わしてきた
(意外と優しい人達だった)
『どういうことですか!
頼朝様っっ!!!』
ほかの武士たちが下がり
盛長、景時、重衡、玉藻と私だけになり
頼朝のたぬきも剥がれていた
「どうもこうも
お前の設定には苦労したんだぞ」
『ならせめて最初に話してくださいよ
玉藻も!面白がったでしょ!』
「なに、うろたえる姿も可愛い
らしかったぞ」
『私はすっごく怖かったんだから!』
「異国から来た姫や不思議な術師とか
あったがそっちが良かったか?」
『私の正しい情報が何一つ
組み込まれてない!!』
「なら時をかけた狐憑き」
『そのまんまじゃないですか!』
(金曜ロードショーでやってそうな
タイトルだけれども!)
「まぁ、ともかく
お前は戦まで好きにしてろよ」
『え?』