第4章 ちぎり
指先をやんわりと噛まれて
甘い痺れが走った
(なっ、にこれ…
身体が……熱い)
『やっ……』
抗えがたい力が濁流のように流れてこみ、
肉体の隅々を満たしていく
(こんなの知らないっ、私が
私じゃなくなるみたいで…怖い)
ぎゅっと拳を握り
涙目になると
つ、と涙を優しく拭われた
「恐れなくてもいい。
そのまま……ゆっくり、
俺を受け入れろ」
涙を拭った手は
そのまま赤子をあやす様に
優しく背中を撫でた
『────っ!』
くたりと力が抜けたその時、
一際大きな震えが背中を駆け抜けた
『う………』
呆然とする頭を振ると、
視界に入る何かに違和感を覚えた
『っ、髪の色が違う!?』
「言っておくが目の色もちがうぞ
髪は白銀、瞳は黄金。
俺とお揃いだな
呪力の影響が外見にどう出るかは
個人差があるが…
お前は綺麗に出たな」
『呪力って、一体私に何をしたの!?』