第4章 ちぎり
『……?』
ゆっくり目を開けると
人影が浮かぶ
だが人ではない
『あ、やかし』
「お前の魂は美しい
よって、この俺と契ることを許そう」
『あ、あなたどこから』
先程の光と混乱で
グラッと身体が傾く
それを優しく抱きとめた
「どこからとは冷たい言い草だな
その細腕で俺を守ろうとした癖に」
『守ろうとしたのはこの小狐ってあれ!?』
いつの間にか小狐はいなくなっていた
『じゃ、じゃあ
あなたもしかしてさっきの…』
「玉藻だ
呼び捨てで構わない
……呼んでご覧、」
『っ、玉、藻…』
「そう、よく覚えておくんだ
お前と魂を繋げるあやかしの名を」
『たっ、魂を繋げるって』
(まさか、義経様と同じように…!?)
混乱していると
優雅な仕草で手をすくい取られ
形の整った唇に近づけられた
「説明は後にしようか
……今はお前の身体に用がある」
『身体って…っ、んっ』