第3章 最悪の再会
ザッ
(!!!)
義経が足を蹴った瞬間
気づいた時には眼前にいた
(速い!)
『危ない!』
「頼朝様、お下がりください!」
矢のように飛び出した義経の刀を
盛長が受け止める
「盛長!」
「くっ…」
(あれは風の刃?)
無数の風きり音が盛長を襲った
(血がっ)
──────ハッ
(この小狐の刀傷もしかして…
義経様が?)
あの夜に差し伸べられた手を思い出し
ぎゅっと握る
考えてる間にも戦闘は続き
盛長は素早く飛び退いた
服は裂けてところどころ血が流れてある
「大丈夫か、盛長!」
「ええ、深手じゃありませんから
ただ気をつけてください
あの風……まるで刃だ」
「流石は猛将安達盛長
よく避けたものだ
殺すには少し惜しい
こんな状況でなければ
もっと手合わせを
楽しめただろうから」
(殺す……っ?)