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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第22章 手当て





(結局強引に連れ出されちゃったけど、
本当にいいのかな………っ?)


与一さんの隣に並び、義経様のもとへ向かう。


『与一さんって、陶芸の時もだけど
意外と強引なところがあるんだね』

「あんたが本気で嫌がってたらやんねーよ
ほんとは義経様のことが気になって
たんだろ?」

『っ………何でわかったの?』

さらりと言い当てられ、正直に答えてしまう。

「そこはあれよ、年の功ってやつかね」

『年の功って……与一さん、
そんな歳じゃないでしょう?』

「いやいや…。言っとくけど義経様や弁慶
より歳上だからな、俺は」

『嘘!?』

(義経様はともかく、あの弁慶さんより
歳上とは思ってなかった…。与一さんって、
かなり童顔に見えるんだけど…)

「あっ、今、失礼なこと考えたろ」

『そ……そんなことないですよ』

「いいけどな、慣れてっし」

(驚いたけど…緩い感じに見えて、
どこか抜け目のない感じもするのは、
歳上の落ち着きってことなのかな)

「んなわけで、俺のこと、これからは
ちょっと頼りにしてくれてもいいぜ?
普段はそんな面倒なこと言わねーけど、
ま、あんたには特別……ってことで」

『ええっと……ありがとう』


(だけど、よく考えたら宴に誘ってくれたり、
陶芸の時も、今日もわざわざ本を
貸してくれたり……)


『与一さんって、前からなんだか
私に親切だよね?』


(ありがたいけど、どうしてなんだろう?)


「んー、そうだな」

与一さんは何かかんがえる素振りをした後、
にやりと笑みを浮かべた。

「俺には俺の思惑があんのよ。
まあ気にすんなって」

『そんな言い方されたら気になるんだけど…』

「お、義経様、はっけーん」

(あっ)


疑問の答えを得る前に与一さんから
ぐいぐいと背を押されて……

廊下を曲がった先に義経様を見つける。


「…! 与一。それに、も」

与一さんの隣にいる私を見て、
義経様が意外なものを見たように目を瞬いた。


『っ………おかえりなさい、義経様』

「ご無事なようで、何よりです」

「ああ
が出迎えてくれるとは
思わなかった

……ただいま」




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