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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第21章 人質




「?」

『そういうのは私抜きにして
話すことじゃないです』

がじろりと頼朝と景時を
睨んだ

要は水臭いという訳だ



「…はっ、そうだな
お前はそういうやつだ」


くくくっと可笑しそうに笑う頼朝


「反乱軍から戦の日を先延ばししたいと
今朝方書状が届いた」

『戦って先延ばしできるんですね』

「ああ、
やむを得ない事情があり、
お互いの利害が一致した時だけだけどな」

『なるほど』

「その間はお互いに攻め入らない
取り決めをしたいとな」

「そこでと弁慶を人質として
平泉と鎌倉で交換という訳です」

『弁慶さんと…』

(でもそもそも人質交換する
やむを得ない事情ってなんだろう)

「事情の原因は日照りです」

(うっ、心を読まれた)

『日照り、雨が降らなくて
水が枯れることことですよね、』

「ええ、ここ最近全国的に
日照りが起こっています
蓄えの乏しい国々は困窮が予想されており
既に支援を求める声がいくつか届いています」

『…反乱軍との戦どころか
無視すれば民の反感を買うってことですね』

「よくわかったな
えらいえらい」

『ちょっ!髪が乱れます!』

くしゃくしゃと頭を撫でられた


(もー、)


乱れた髪を整える


「少なくともこんな提案をするってことは
あっちも厳しいんだろな」

「なんにせよ、この状況で外の敵を
警戒する必要がなくなり、
内政に注力できるようになる点は
魅力的ですね」

『そうですよね』

(政治においてはメリットしかないだろうな)

「右腕の弁慶と交換されるとすりゃ、
殺されることは無い
とはいえ、の心が持たねぇ」

『っ』

「不本意ながら、
は戦の勝利を左右する重要人物です
心を壊せば戦場に立つどころの話では
ありません
人質交換は下策かと考えられます」

(不本意…)


気になる一言はあったものの
自分の思いは決まっていたため
それを告げるために口を開いた




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