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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第20章 不思議なひと~義経side~




『そもそも何で
お面なんて持ってたんですか?
もしかして変装の為、とか』


「いや、」


(祭りの空気に当てられた)


「祭りの雰囲気は嫌いじゃない
少しくらい味わってもいいと思った」


「とにかく、
今はに危害を加えることは
ないと約束しよう

その代わり俺が立ち去るまで
騒がないことが条件だ」


義経の言葉を信じるか信じないか
一瞬迷う素振りをしたが
思いの外すぐに警戒を解いた

だがまたすぐに質問を投げかけてきた

『あの、今さらですけど
何故助けてくださったんですか?』


「それは…」


義経は表情を変えないまま口を開いた


(.........、と同じ、か)


「俺もあなたを断じる資格はないな


助ける手段を持っているのに
見過ごすのは後味が悪い」




_______________


”治療する手段を持っているのに、
目の前で傷ついている人を見過ごすような
人に、人殺しのようなことは
したくなかった………です。”


────────────・・・



(あの言葉は忘れることは無いだろう)



を一蹴しつつも
矛盾が生じてしまうのは人間である以上
仕方の無いことだ


(あの人以外は…)


『っありがとうございます、義経様』


「勝手にやったことだ」


(本来であれば助けるべきではない)



(俺はこの人の”敵”なのだから)




ちくり、と胸に針を刺すような痛みが走る




ふとを見ると
酷く悲しんだ顔をしていた


「?どうかしたか」


『…っ、いえ、なんでもありません。』



(これ以上この人と深く関わる訳には
いかないな)



「そうか、では、俺はもう行く」



義経は踵を返した



『っ待ってください』



「なんだ?」

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