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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第20章 不思議なひと~義経side~




「あっ」


素早くの腕を引っ張った


するとは戸惑いを
隠すことなく義経を見上げた


義経は野武士から距離を取り
を庇うように一歩前へと出る



「なっ、、んだよ!お前!」


「名乗るほどの者ではない」


「ふざけんな!女を渡せ!」


『あぶないっ』


目をギラつかせた野武士たちが
一斉に刀を抜き打ち、
男へと踊りかかる。



「かかって来るなら仕方ない



───覚悟」




刀の柄を握ると同時に、一閃───・・・



「ぐはっ」


「ぎゃあっ」



たちまち数人の刀が弾き飛ぶ



『すごい、』


感嘆したように呟く




唖然とした顔の野武士がじりじりと
後ろに下がるのに合わせ、
義経も一歩前に踏み込む


「っなんだこいつ」

「ひ、引くぞ!」



一人が声を上げたのを
全員が転がるように走り出す


悟られない程度にを盗み見た


(怪我は、ないようだな)


それを見届けた後、義経は背を向けた


『あのっ






──────義経様?』




「………」


(.........なぜ、)


義経はぴたりと足を止め振り返って面を外した



「どうしてわかった」


義経様は心底不思議そうに首をかしげた



『あれだけぼろを出せば
誰でも……というか
どうして義経様がここに…?』


次に会うのは戦場だと思っていたのだろう
案の定戸惑っている


(だが、
昨日のことは気づいていないようだな)


ほっとしたものの
矢張りこの状況はあまり良く無い


敵である女性とふたりきり


敵将とふたりきりの状況には
身体を強ばらせて一歩後ろへ下がる


だがここで騒ぎを起こして困るのは義経自身
そのことを伝える為に口を開いた

「そう警戒するな。
ここで騒ぎを起こすつもりは無い」


『そ、そうなんですか?』



辺りをキョロキョロと見回す

(ああ、)


「京へは俺一人で来た


ここに来ることは
弁慶たちにも伝えていない
祭りの騒ぎに乗じて潜入した」

『潜入って』


「もっとも、
こうしてあなたには正体を
知られてしまったわけだが

運良く持っていた面を被って
現れてみたというのに、
無駄だったな」


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