第20章 不思議なひと~義経side~
いつもであればすぐに助けに行くのだが
接触する訳にも行かず
暫く様子を見ることにした
(彼女は敵であることは変わらない)
ぐっと掌で拳をつくる
「こんな人気のないとこにいてさ、
実はあんたも期待してたんじゃ
ないの?」
よく見ると男たちの背中に
黒いモヤのようなものがある
(あれは…)
『あの、こういうのやめた方が
いいですよ』
「あ?」
(にも見えているのか)
おそらく
男たちはよくこの手を使い
何かよからぬことをしているのだろう
『悪行は自分にかえってきます』
「ははっ
おかーさんにでも言われたのか?」
「優しくしてやるからさ
こいって」
乱暴に腕を掴まれ
ぐいっと引き寄せられた
「っ」
義経は飛び込もうとした
その時──────
『っ離して!』
「!?」
フワッ
(!?)
どしん!!!!!
「ぐはっ」
『……………あ、』
(.........)
背負い投げされた男は沈黙
口を開け唖然としていた男たちが
はっとした様子でに叱咤した
「ってめー!
女のくせに何してくれてんだ」
「っすげ、」
「おい!関心してる場合か!」
『っ』
すると男達はおもむろに
懐から小刀を取りだした
「もういい
一旦痛い目みせてから
襲ってやるよ!」
(これ以上はいくら彼女でも…)
何より我慢の限界だった
「祭りに乗じて女に乱暴をするとは
随分と罰当たりだな」
『!』
「誰だ!!」
ふわりと義経が飛び降りる
「こちらへ」
(俺は)
(なぜこんなに怒っているのだろう)
ただ彼女が
が
傷つくのが───
嫌なのか