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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第20章 不思議なひと~義経side~




末春は京の調査に向かい
義経はの調査に向かった




がいるという公家の屋敷に忍び込み
様子を伺っていた時だった




(あの男───)



やたらとに距離をつめ、

「だから君みたいな子に傍にいて
欲しくなるんだ」

と囁いた



『ご冗談を……』

「君にとっても悪い話じゃないと思うけど?
お小遣いならいくらでもあげられるし
忙しい薬師の仕事や危険な陰陽師の助手を
するより、僕に可愛がられた方が
得だと思うな」




腰を引き寄せられ
抵抗しようにも躊躇っている様子だった






(泰親の立場を気にしているのだろうか)


カチャリ、と刀に手を置いた




『離して、ください』



「君のことが本気で好きになったんだよ
ねえ、癒してほしいんだ」



はっとした様子で公家の男を見る



『………あの女性にもそう言ったんですか』


「え?」


『昨日、女性の生霊が私達の前に出ました
それで、あなたの身代わりになった
泰親さんにこう言ったんです』




『【癒してほしいって言ったのに】』



「な……」



男の額に冷や汗が落ちる



動揺していた様子を一切消し
は冷たい目で睨んだ



「ぐ、偶然だよ
よくある表現じゃないか」


『……生霊を飛ばす人は、
その相手を深く恨んでると聞きます』


『女性の顔、見たんでしたよね?
本当に見覚えがなかったんですか』



観念したように男が口を割る



「っ………、確かにあれはうちに仕えていた
女中の一人だった
──手を出したのも認めよう」



「だが、そんなことくらいで
祟られてたまるものか!
この僕が女中なんぞを本気で愛すわけが無い
考えたら分かるだろ?」


『は……?』



(あんな表情は初めて見た)



「僕と妻が結婚した途端に
『私のことを愛してるって言ったのは
嘘だったのか』と責められてね
妻に密告すると言い出したから、
一方的に僕を誘惑してきたことにして
解雇してやったんだ

全く、優しくするとつけあがる女には
困ったものだよ」

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