第20章 不思議なひと~義経side~
「あー、なんで俺が」
「すまない
末春にしか頼めなかった」
「まーた人たらし出てますよ」
「人たらしは末春の方では無いのか」
「あんたは無自覚なの!」
京の都
なぜここに義経と末春がいるのかというと
少し前のこと
「俺に何か用ですか?義経様
武器ならこの前.........」
「末春、頼みがある」
「……なんです」
「狐憑きについて調べてくれ」
「もう与一に頼まれた分は調べましたよ?」
「今までの情報ではなく
今からの情報を頼みたい」
「なるほど」
末春が考えるように顎に指を添えた
「まー、鎌倉に何人か潜り込ませてますけど
何より梶原景時が手強くて」
「できる範囲でかまわない」
「ま、仕事とあらば任せてください」
「頼んだ」
数日後──────
末春が持ってきた情報に目を瞬かせた
「が京に?」
「ええ、」
(一体なぜ)
京にある朝廷は幕府に協力体制を敷いている
とはいえ、狐憑きであるが
赴く理由が思いつかない
「なんでも陰陽師の助手としてらしいです」
「陰陽師の、助手…」
陰陽師といわれ思い浮かんだ人物は
一人だった
「泰親か」
「ええ、狐憑きの力を安定して
使えるように特訓するらしいですね」
「きっとあの人は
自分で行くと言ったのだと思う」
(責任感のある人だから)
「京の動きも気になるんで
俺が行ってきますね」
と言って立ち上がる末春に義経は
声をかけた
「───俺も連れて行って欲しい」
「は?」
────────────・・・
末春の反対を押し切り義経は京へ
やってきたのだった
「弁慶に叱られても知りませんよ」
「末春がいるから大丈夫だろう」
「───はぁぁ、もういいです」
末春は呆れたようにため息をついた