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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第20章 不思議なひと~義経side~





気づけば「頼む」と口にしていた

女性はすぐに珍妙な入れ物から
薬のようなものと包帯を取りだす


(見事な手さばきだ)

「…手馴れているのだな」

『私自身よく襲われて怪我するので
覚えました』

女性は苦笑しながら答える

(襲われる?)

もしかしてさっきあやかしに
付きまとわれていたのは
俺と似たような境遇なのだろうか

そう考えながら女性をじっと見つめる

『?あの??』

「変わった格好をしているな」

そういうと衝撃を受けたような顔を
されてしまった

(表情が豊かな人だな)

『え、ええと』

「そういえばこんな夜更けに
女ひとりでここで何をしていた?」

『家に帰る途中で…』

「家?森の中にか?」

『森?』

キョロキョロと見回し
ぎょっとした様子で驚いた

『えっここどこ!?』

「分からないのか?」

『は、はい』


(道が分からなくなるほど
あやかしによほど追われていたのか)


こんなところに女性ひとり
残して行くわけにはいかない


「分からないなら
俺と来るか?」

『え』

「またあやかしに襲われるかも
しれない
女性一人では何かと不安だろう」

『で、でも』

「天幕がひとつ空いているから
使うといい」

『天幕……』

「嫌だろうか」


顔をのぞき込むと
助成は頬を少し赤らめた

ぶんぶんと首を横に振りながら
『いっいえ、嫌じゃないです!』
といった

「そうか」

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