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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第20章 不思議なひと~義経side~




あの人に初めて会ったのはあの時だ───




戦場の天幕から少し離れた森の中で
笛を吹いていたら
遠くから走る女性の影と
あやかしの気配があった


『来ないで!』



危ない、そう思う前に
身体が勝手に動いていた



『え……』

女性の足を掴んだあやかしの腕を
斬り落とす

【ぎゃぁぁ!!!
イタイイタイイタイ!!!】

「女性を襲う輩に手加減はいらない
たとえあやかしでも…」

シュッ


あやかしは消えたが
女性は呆然と俺を見ていた


『…………』


(立てないのか、無理もない)


心配になり手を差し伸べた


「……怪我はないだろうか」

『あっ、ないです!
あの、ありがとうございます…』

「礼はいらない」





『あっ!!』

「っ!」



女性の突然の声に不覚にも驚いた



『怪我…してます』

「!どこだ?」

(この人に怪我がないように
斬ったつもりだったが)

もしやと思い焦る義経だったが
返ってきた言葉は予想と違った


『私じゃなくてあなたが…』


女性の目線を追い自分の腕を見ると
赤い線が走っていた


(ああ)




『もしかしてさっきの…』

「いや、これは戦場で」

『せんじょう?』


何故かあまりぴんときていなさそうだった


『手当てします!』

すると女性は意気込んだように告げた

「いや、」

(初対面の女性にさせるのは
少し気が引ける)

『助けていただいたお礼です!』

女性は思った以上に頑固そうだ

「…………では」
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