第19章 陰陽師助手記録帳参
(義経様はどう思ってるんだろう?)
ちらりと男の子と反対側の手を繋いだ
義経様を盗み見る
だけどやっぱり何も表情は
読み取れなかった。
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町は先程よりも多くの人で
溢れ返っていた。
「ここには………いないようだな
次はあちらを探してみよう」
『そうですね』
(早く見つかるといいけど……)
「あっ!!」
「どうした」
不意に男の子が声をあげて立ち止まる。
「きれーな風車………」
『わぁ、ほんとだね、たくさん色がある!』
「あんなの初めて見た!
やっぱり祭りってすごいんだな」
「欲しいのか?」
「ううん、大丈夫。弟に悪いからさ…」
そう言いながらも、
男の子は風車にくぎ付けだ
「待っていろ」
(え?)
義経様は風車を二つ買い、
男の子に差し出す。
「弟に会えたら渡すといい。
仲直りのきっかけにもなるだろう」
「っ…ありがとう!」
(義経様は小さな子に優しいんだな)
二人の様子が微笑ましくて思わず頬が緩む