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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第18章 陰陽師助手記録帳弐




『ここも、陽の光がある町中に
あやかしは出るんですね
用心しときます』

「まあ、そうだね
普通に過ごしてたら気づかない程度の
弱いあやかしだけど


でも、人が生きていく中で
本当に恐れなくちゃいけないのは、
あやかしよりも人の心が生み出す
呪いだよ」


(呪い……)



お化けよりも余程怖いのは人間だ、等と
説いてる人がいるが
その言葉よりもずしり、と
頭に重くのしかかる



泰親さんはぱっといつもの笑顔に戻る



「そういえば、あのあやかし
さんのこと可愛いって言ってたよ」


『ええ?』


(あれ?嬉しくないモテ期きた?)


「美味しそうとも言ってたけど」

『………ですよね。』







「ま、とにかく
これで俺の用事は終わった。
付き合ってくれてありがとうねえ」


『それで、私を遠ざけてまで
聞けた有力な情報って何ですか?』


「あはは。そんなことないのにー」


(嘘くさ!!)


「あのあやかし、昨日、
例の屋敷で見かけた子なんだよ
だから怪異騒ぎについて
知ってるんじゃないかと思って
話を聞いてみたんだ」


『なるほど』


「いい情報は得たけど
ちょっと裏付けは取りたいかな
確信を持てたら
君にも言うから待ってて」


(そういうことなら)


『わかりました』



いずれこのままいけば分かることだろう



『そういえば、どうしてさっきの
あやかしを見つけられたんですか?』

「さっき草履投げたでしょ?
その時にちょっとした占術を、ね」

『占術ってそんなに簡単に出来ましたっけ?』

「もちろん色んな制約はあるよ?
探せるものも有れば探せないものもある
条件によっては的中率はぐっと下がるし…」



(それにしてもやっぱり凄い人なんだなあ)


『すみません
私、泰親さんのこと誤解して……』

「あ!待って!
あっちに珍しいあやかしがいる!!」

『えっちょっ!』


素早く銅貨を卓上に置き、
泰親さんがの腕を掴む



「さん、大変だ、早く行こう!」

(目がキラキラしてる!)

『ちょっと待って、うわっ!
あのあやかし見た目気持ち悪っっ!
泰親さん私行きたくないです』

ぶんぶんと首を振る


「さんってちょっと毒舌だよね
そこもいいとこだけど」





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