• テキストサイズ

イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第16章 京






近くの茶屋に入ると男は
被っていた笠を外した


(わ、綺麗な人)



笠を被っていても
何となく麗しい人だとは
感じていたけど
予想以上だった




「そういえば名乗っていなかったね
俺の名は顕仁」

『私はと言います
よろしくお願いします
──顕仁さん』

「………」

(あれ?)


少しだけ目を丸くさせた
顕仁さん


(なんかダメなこと言った?)


少し不安に思っていると
ふわりと微笑まれた


「顕仁さん、か
うん、いいね」

『はぁ…?』

(何がいいのかさっぱりだな)


とにかく気を悪くしてないようで
安心した



「好きな物頼んでいいよ」

『いえ、それじゃお礼にならないですし』

「じゃあここの品を全てもらおうかな」



すみませんと店員に声をかける



(ちょちょちょ!)



『ま、待ってください!
えーと、えーと…おすすめってありますか?』

「この茶屋はお団子が美味しいですよ」

『じゃ、お団子でお願いします』

「かしこまりました!」


ついでに顕仁さんはお茶をふたつ頼んでくれた


(はぁぁ)



『びっくりした…』

「ふふ、すごい早口だったね」

『もう、顕仁さんが笑えない
冗談言うからですよ』

「冗談じゃないからね
もっと頼んでも良かったのに」

『ま、間に合ってます』





私の腕の中にまだ大量のお菓子と椿餅が
あるんです!



/ 320ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp