第15章 助手
どさり、と音がするほど
菓子の入った風呂敷をもらう
「あやかし相手に頭は使うか
分かりませんが
これもどうぞ」
『か、景時さんも?
ありがとうございます』
手持ちの椿餅をこれでもかと
渡される
ずしり、
(こんなに食べれるかな)
いつぞやのお菓子パーティーを思い出す
「さん、これ」
『わ、綺麗!どうしたのこれ?』
渡されたのは簪だった
水色と銀がキラキラと光っていて
とても綺麗だった
「べ、別に似合いそうだから
買った訳じゃなくて
たまたま目にいったから買っただけ」
『そ、そうなんだ』
(耳が赤いけど見てないふりしてよう)
「さんって物欲ないから
こういうのひとつくらい持ってても邪魔には
ならないと思うよ
もしかしたらだけど
京には陛下がいらっしゃるし
挨拶する時にでもつけたら?」
『本当にありがとう
大事にするね』
何やら生暖かい視線と
鋭い視線を受ける中
ゆったりとした声で
口を開く盛長さん
「俺からも、はい」
『わ!なんですかコレ!』
「おにぎりだよ
沢山食べて力を蓄えてね」
『なんか大きすぎる気がしますが
ありがとうございます』
(食べ物ばっかり、でも嬉しいな)