第15章 助手
皆がを囲んでいた
後ろから頼朝様が現れる
『頼朝様、泰親さんのことなら
大丈夫ですから』
「?ああ、」
(あれれ?てっきり泰親さんのことかと)
すっかり泰親=危険が定着してしまった
「これを渡しておこうと思ってな」
『?』
少しだけずしり、と手のひらに重みがかかる
(短剣?)
「源家に伝わる短剣だ
あやかし退治をしていた
先祖が使っていたらしいが」
「いわゆる家宝、ですけどね」
『ええ!?』
(家宝って……)
一気に手のひらの重みが増していく
『そんな大事なもの預かれません』
返そうとするも頼朝様は受け取ってくれない
「護身用に持ってろ
帰ってきたら返せ
──いいか、必ず帰ってこい
お前はもう幕府のものだ
つまり俺の所有物でもある」
『──なんですかその暴論……』
力が抜けてふにゃりと笑ってしまう
「………泰親には気をつけろよ
ふにゃふにゃしてると
襲われる」
『はい?』
(頼朝様まで泰親さんのこと言うんだ)
「頼朝だけにいい所は渡せないな
、これは今日買ってきた菓子だ
道中口寂しいだろうから食べるといい」
『わ、こんなに?ありがとう玉藻』