第15章 助手
『わぁ』
「さん、乗り出すと
危ないから座っててね」
『すみません』
牛車に乗って京都へ移動中
(それにしても重い)
持たされた荷物を改めて見た
────────────………
「何?泰親と?」
『うん、頑張って呪力溜めてくるから』
「危険だ」
『あやかしには慣れてるよ』
「そうでは無い、泰親が、だ」
『まぁ危険な香りはしなくもないけど』
若干胡散臭さのある笑みを思い出す
「そうだよ
泰親さんは信用ならない」
「変人というか奇人としても
名を馳せています
気を抜かずにやりなさい」
続けて重衡くんと
加えて景時さんまで口を出し始めた
(泰親さんの信用度ゼロじゃん!!)
ここまで言われると不安を煽られる
心配するのはあやかしのことや
慣れない京都での生活がどうのこうの…
というより泰親さんの事ばかり
「泰親殿は天才陰陽師だし、
何かあったら無茶せず頼るんだよ」
『盛長さん…』
「泰親殿がもしなにかしてきたら
お兄さんに言いなさい」
『──盛長さん………』
ぽん、と肩に手を置かれ
凄みのある笑みで言われた
(泰親さんと一定の距離は保っておこう……)
「」