第15章 助手
『──相手によれば甘えますよ』
「へえ、例えば?」
『──頼朝様には関係ないです』
「関係はある」
(あれ、なんか)
不機嫌?
(もしかして、いやいやまさかね…)
「御所の中に入り込むなんて
珍しいですね
そういえば玉藻っちは?」
『あ、確かにどこに行ったんだろ』
「玉藻は町に出かけてる
に食べさせる菓子を
探すって言って今朝方な」
(そうだったんだ)
玉藻がいれば真っ先に駆けつけてくれただろう
あやかしの玉藻なら気配を感じる前に
御所から追い払ってくれてたかも
(狐憑きの力を使うの、結構コツがいりそう)
使う度にあの感覚は少し慣れない
呪力を吸収しすぎるのも良くないと
玉藻は言ってたし…
(頑張らないと)
「でも驚いたよ
さん、意外とあやかし慣れ
してるんだね」
『──少し、見える方だったので』
「そうだよね
君変わった霊力持ってるし」
『ええ!?』
(もしかして、全部ばれてる??)
「泰親、わざわざ京から
何しに来たんだ
謁見なら此の前済ましたろ」
「ああ、今日はですね
さんに用があって…」
『私?』
「うん、君を探そうとしたら
あやかしと対峙しててほんと焦った」
『それで、なんの御用ですか?』
「少しの間俺の助手になって欲しくて!!」
『はい?』