第15章 助手
「!」
あやかしの腕を切り落とした
頼朝様が私の名前を叫ぶ
今だ!と言われたようで
手をかざした
『──そろそろ消えて!』
〈う、ガ。力が………〉
狐憑きの力で呪力を吸い取ると
徐々にあやかしの身体は小さくなっていく
「後始末は任せてください」
泰親さんが札をはった
バシュッ
『──消えた』
ほっとして地べたに座り込んでしまった
「さん、大丈夫?」
『はい、泰親さん
助けてくれてありがとうございます』
「ほとんど何も出来なかったけどね」
『そんなことないです
私も全然戦えなかったですし』
泰親さんが少し
申し訳なさそうな顔をして
罪悪感が押し寄せた
(そもそも泰親さんのせいじゃないし
よく考えもせず飛び出したのは私)
「お前、地べた好きだな」
初めて会った時の
義経様が去った後座り込んだ時の
ことを言っているのだろう
『別に好きで座り込んでるわけじゃ
ありません
安心して力が抜けたというか』
「立てるか」
『──はい』
ふらりと立ち上がろうとするが
頼朝様は腕を引っ張った
『!』
「お前たまには素直に甘えろよ」
そう言って支えてくれた