第15章 助手
〈オノレ…ゆるさないゆるさない〉
『──い"っ』
ぎりり……
の身体を締め上げた
「さん!」
泰親がを助けるため
何かを唱え出す
「俺のものに何手を出してやがる」
スパッ
〈ギャァァ!!〉
『──っわ』
宙に浮いた身体が頼朝様に受け止められた
『よ、頼朝様…』
「──怪我は」
『あ、平気です』
(身体には締められた跡が残ってるかも
だけど)
「頼朝様、助かりました」
「まだだ」
「ええ、今度は一発で決めます」
「は下がっていろ」
身体を優しく降ろされる
『いえ、狐憑きの力で戦います』
「おい、泰親が手間どる程のあやかしだぞ
今回は…」
『こんなの日常茶飯事です
だから、』
「………無茶はするな
約束できないなら置いていく」
『──頼朝様もですよ』
頼朝様はぱちりと目を瞬かせたが
それは一瞬でにやりといつもの笑顔に戻った
「上等だ」
刀を構えると
地面を蹴って走り出した
(狐憑きの力を使うには
もっと近づかないと!)