第14章 お菓子パーティー
『ありがとうございます!
景時さん』
「礼を言われる覚えはありません
これからもこき使いますから
そのつもりで」
『──頑張りますから
お手柔らかに』
そう言葉を返しながらも
じわりと心が温かい
(普段厳しい人にちょっとでも
褒めてもらえると嬉しいよね
こうやって少しずつ
幕府の人達に打ち解けていけたらいいな)
少しお手伝いしただけでも、
武士のみんなが信念を持って
戦に臨もうとしていることが
今の私になら分かりかけていた
「ふーん…」
「良かったな、重衡」
「は?」
「景時にがいじめられてないか
心配で様子を見に来たんだろう?」
「っ………」
(どういうこと?)
「さっき言いましたよね
書物を返しに来たって
そうしたら、たまたま皆さんが
いただけです」
「そうなのか?
先程がどこにいるか
探していたように見えたが」
(え!嘘!?)
「見てたのかよ!?
…じゃなくて玉藻さんの気の所為だから」
「重衡は可愛いなぁ」
「悪質な冗談はやめ……もがっ」
(ちょっ、大丈夫!?)
反論しようとした重衡の口の中に
盛長さんが椿餅を突っ込んだ