• テキストサイズ

イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第14章 お菓子パーティー




「まあまあまあ、
ほら、甘いものでも食べて
落ち着いて」

「むぐ……」

口の中がいっぱいになってしまったのか
重衡さんは恨めしそうな視線で
盛長さんを睨んだ


『し、重衡さん
大丈夫ですか?
あ、お茶いりますか?』

「……親切にしても
君のこと認めたりしないから」

『そんなこと思ってませんよ
だけど…』


(さっき玉藻が言ってたことが
本当ならお礼は言いたい)


重衡さんに向き合って頭を下げた


『あの、ありがとうございます
御所での仕事を引き受けたのは
自分自身のためで
ちゃんとした成果はまだ
出せてないですけど
最近、仕事を通じて
皆さんに近づけた気がして、
その、…嬉しいです』


「…あっそう」

『はい!』

(あ、)


そっぽを向いた重衡さんの耳が
微かに赤いのは多分見間違いじゃない


「随分と前向きになったな」

『そうかな?』

(今の私を義経様が見たら
なんて言うかな)


皮肉なことに
変わるきっかけをくれたのは
最大の敵である義経様だ



(次に会うのは戦場になる
──その時までにちゃんと
心を決めなくちゃ)





/ 320ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp