第14章 お菓子パーティー
(何それ!?)
私のために争わないでみたいな?
『別に争わなくてもちゃんと診るのに…』
「そういうことじゃないと思うけど」
「不毛な争いですね」
「男集団だからね
今まで女の子が稽古場に寄ることなんて
あんまりなかったし
まあ、そんなに手当てをしてもらいたいなら
もっと厳しくしてもいいよね」
『盛長さん、笑顔が心無しか怖いです…』
(どんまいです武士の皆さん……)
『でも、手当って言っても
わたしにできることはたかが知れるし、
大したことは本当にしてないですよ』
「だが、それ以外でも
の作った薬は
売れているんだろう?」
『え?うん、少しずつだけど』
ありがたいことに御所で働く
うちに知り合いも増え、
薬が要り様な時には声をかけて
貰うことが増えた
(医者になりたいと思ってたけど
薬師の仕事も何かとやりがいがあって
楽しいし、薬師をめざしてもいいのかも
しれないな)
「それにしても……」
重衡さんは椿餅を食べながら
ちらりとこちらを見る
「戦に行くだけでも大事なのに
自分からこき使われに行くなんて
どうかしてる」