第14章 お菓子パーティー
『わぁ!ありがとう!』
きんとんも食べてみると
『ん!上品な味わいだね!』
「そうだろう?
あの店は他にも上等な菓子を作っている」
『へぇ、玉藻って妖狐なのに
ものすごく美食家なんだね』
「人間のように栄養は必要と
してないが………食は俺の娯楽だ
美味しいものは舌を楽しませて
くれるからな
今度、も連れて行ってやろう」
『本当?楽しみにしてるね』
(鎌倉の町、ゆっくり見たことないんだよね)
『それにしても、玉藻はすごいね
もうそんなに鎌倉での暮らしに
馴染んでるなんて』
少し羨ましく思ってそういった私に
玉藻は首を傾げた
「そう言うお前こそ
武士の間でよく話題に
なっているそうじゃないか」
『え?どうして?』
(初耳なんだけど)
「ああ、最近薬所開いて
稽古の後怪我人の手当てをしてくれたり
診察もしてくれてるからだよね」
(それは御所での仕事の一貫として
やってるけど)
『そこまで大したことはしてないけどなぁ』
が目を瞬かせていると
「噂じゃ、誰が一番に診てもらうか
武士の間で争いになってるみたいだね」