第14章 お菓子パーティー
「椿餅だな」
出された風呂敷包みから
大量の椿餅が顔を出した
『へぇ、椿餅って言うんだ』
「食べたことないのですか」
『ないですね』
「美味しいよ」
景時は平然とした顔で
椿餅を積み立てていく
『美味しそうではあるんですけど
…多すぎませんか?』
「これくらい普通です」
(そうかなぁ?)
糖尿病になりそうな量だが…
大丈夫だろうか
「仕事の手を止めるんですから
糖分を一気に摂取しておく方がいいでしょう」
(ええ………?)
確かに甘味などの甘いものは
脳の活性化に繋がるが
甘い食べ物を人が過剰摂取すると
人から笑顔を奪うらしい
(だから景時さんあんまり笑わないんじゃ)
「椿餅ばかりこんなに食えるか」
盛長さんと一緒に席につきながら
文句を言う玉藻
「贅沢な狐ですね
どうしてもと言うなら私の水飴を
一緒に出してあげても構いませんが」
「……ほう、水飴をどうしろと?」
玉藻は珍しく警戒するように
目を細めた
「かけて食べるとより一層
糖度が高まります
味も変わってあなたも飽きずに
食せるのでは?」
『発想が極端………!』
「景時だからね」
(その一言で片付けるあたり、
盛長さんっておおらかだな…)