第14章 お菓子パーティー
「やぁ、頑張ってるね」
「褒美の差し入れを持ってきたぞ」
『あっ!盛長さん!玉藻も!』
(わざわざ様子を見に来てくれたのかな)
玉藻と盛長さんが風呂敷包みを手に
訪ねてきた
景時さんは巻物に目を向けたまま
二人に言葉を返す
「書庫での飲食は禁止です」
「かたいことを言うな
鎌倉の中でも選りすぐりの店に
作らせた菓子だぞ」
『えっ、作らせたって玉藻が…?』
「行きつけの店に声をかけたんだ
お前にも食べさせてやろうと思ってな」
『もう行きつけのお店があるの!?』
(ついこの間だまで封印された上に
鎌倉に来て間もないのに!)
「楽しく暮らすために
地盤づくりが肝心だからな
菓子屋、料亭、呉服商……、
ああ、最近だと賭場にも知り合いが
増えたぞ」
(賭場ってサイコロ降ったりして
お金奪い合うみたいなやつ……?)
『守備範囲広いね玉藻』
「盛長
賭場はあなたの仕業ですね
ただでさえあやしい生き物を
あやしい場所に連れていくのは
控えなさい」
「この九尾の狐を捕まえて
あやしい生き物とは失敬な」
玉藻の横で盛長さんはのほほんと
笑っている