第13章 浅薄
「それでもお前を巻き込み続けることは
幕府としての決定だ
その上でお前が自ら俺達に
協力するって言うなら、
今まで以上の待遇を約束するのが筋だろ」
『それは、そうかもしれませんけど…』
「意外か?」
『…はい
頼朝様はもっと横暴な方だと思ってたので』
(ついでに腹黒で意地悪で……)
「おい、心の声くらい閉まっておけ」
『え!?声に出してました!?』
でこぴんを食らった…痛い
(まぁでも、ある意味公平な人なんだろうな)
おでこを摩りなら
『謹んで受け取らせてもらいます』
と返事をしたのだった
「ああ。わかりゃいい
──それにしても、妙な女だよなお前は」
(妙って……)
まぁ妙な体質で境遇ではあるが
聞き捨てならない
『そういえば
義経様にも不思議な人だって言われました』
(兄弟仲は悪いのに
似たようなことを言うんだな)
性格も容姿も全く違うのに
筋が通ってるところもよく考えれば
似ている
「…義経、か」
頼朝は腕を組み、形のいい眉をひそめた
「あいつはお前を逃がしたそうだな」
『はい、私もてっきり殺されるものと
思ってたんですけど』