第13章 浅薄
「いいだろう
こき使ってやるから
後で泣き言言うんじゃねえぞ?」
(やった!)
『望むところです!』
は頼朝に向かって
しっかりと頷いた
「これも盛長から聞いたんだが
お前兵達の手当てに貢献したんだってな?」
『あ、それくらいしか
できることがなくて…
役に立てたなら良かったです』
「よし
とりあえずお前は御所内に薬所を開け
何せ武士は怪我をしやすい
報酬は相場に色を付ける形でいいだろ」
『それは、構いませんけど
お給料いりませんよ?
ただでさえ住まわせて貰ってますし』
(ご飯も美味しいし)
「払うって言ってるものは
大人しく貰っておけ」
『でも…』
(うーん、本当にいいのかな)
いまいちまだこの時代のお金の
仕組みもわかっていないが…
考え込むに
頼朝は呆れた顔をする
「ただの女を戦場にかどわす以上
もともと身の安全位は保障してやる
つもりでいる
ただ、この前の戦のように
絶対に安全というものはねえ
お前も嫌ってほど経験しただろ」
(それは……)
義経様から向けられた剣呑な眼差し
何人もの兵を相手に刀を振るう姿を
思い出して身震いする