第13章 浅薄

「報告を受けてすぐに後を追わせたが、
捕まえることは出来なかった
大方、戦が収まる頃合いを見計らって
姿を眩ませたんだろ」

『そうですか…』

(盛長さんの読み通りってことか)



義経様が捕まってなくて
少しほっとしている自分がいた


(──でも、どうして？)


あんなに怖かったのに


悶々と考えていると
頼朝が口を開いた


「」

『はい？』

「恨み言なら聞いてやる
言ってみろ」

『んん？恨み言…ですか？』

(なんのこっちゃ)

思っても見ない事を言われて
ぽかんとしてしまう


「なんだその顔は、違うのか？

戦場で1人きりになるわ
義経に遭遇するわ、
散々危険な目に遭っただろ

お前から話があるって言うから
文句だと思ったが」

(そうゆうこと！？)


腹黒征夷大将軍のくせに…
一応気にしてくれてたのか


『違いますよ
自分から戦に参加するって
言いましたし、
危険な目にあることなんて
想定内です』

(義経様は想定外だったけど)


『それに、

色々考える、きっかけになりました』


「…へえ？」


頼朝はに興味深そうな
眼差しを向ける