第13章 浅薄
「それはどうだろうな」
義経は軽やかに身を翻し、
刀身を躱す
そして、息を着くまもなく
兵を刀ではじき飛ばした
キンっ──カキン!
「ぐっっ!!」
「長く遊ぶつもりは無い
──覚悟を」
(えっ………?)
義経は自ら複数いる兵のもとへ
かけていき──────
「ぐはっ」
「うぐっ!」
只中に飛び込んだかと思うと
たちまち人を薙ぎ倒した
(な、に……いまの)
下手をすれば
義経様は怪我をするおろか
最悪命を落としてもおかしくないのに
だけど、
自分が傷つくことすら恐れずに
敵に向かっていった
(自分が傷つくことを勘定に入れてない)
さっきまで一緒にいたと思うと
恐ろしい
「あれが、義経様の戦い方だよ」
義経の戦いに魅入っていると
盛長が口を開いた
『戦ってる人達は…
大丈夫でしょうか?』
(このままじゃ
義経様に全員やられてしまうんじゃ…)
「対策は立ててきたつもりだけどね」
表情を曇らせながらも
盛長さんは冷静に戦況に目を配っていた