第13章 浅薄
「全員、無事だよ
怪我人はいるものの
軽傷者ばかりだから気にしないで」
『そう、ですか
後で薬を届けますね』
「うん、ありがとう。助かるよ」
「戦況も戻ったから安心して
俺の小隊の代わりに幕府の援軍が
派遣されたから、このまま引き上げよう」
『──はい』
──引き上げる
その言葉に安堵を覚えた
(所詮私は臆病だ
でも戦についてもっと知るって
義経様にも宣言しちゃったし…)
やることは沢山ある
目的があれば動ける
────生きていける
(無事に帰るまでも安心できないな
いつどこで戦況が変わるか
分からないもんね)
たった数時間前に学んだことだ
「よし、そろそろ行こうか」
『はい!』
「はい、どうぞ」
と言って手を差し伸べてくる
(一緒に乗るの?)
『──?盛長さん
私一応馬には乗れますよ?』
「知ってるよ
怖い目にあっただろうし
そばにいた方が安心できるかなって
お節介だったかな?」
(優しい人だなぁ)
『全然そんなことないです!
お言葉に甘えますね』
盛長の手を取り馬に乗った