第13章 浅薄
義経様と別れてしばらくたったあと
「!」
『盛長さん!』
探しに来てくれた兵によって
本陣に何とか戻ることが出来た
(あのままどうしようかと
思ってたけど)
「無事で良かった……
いや、無事じゃないよね
ごめん、初めての戦で1人にして」
『謝らないでください
ご覧の通り私なら大丈夫ですから!』
「でも義経様と遭遇したんだろう?
危険な目にもあったはずだ
──その怪我も義経様に?」
『え?あ~
厳密には義経様の刀を受け止めたと言うか』
へらりと答えると
盛長は目を丸くする
「──受け止めた!?
義経様の刀を!!?」
(盛長さんのこんな顔初めて見た)
『ええ、まぁ
結果オーライです』
「往来?」
『結果良ければ全てよしってことです
怪我はしましたが命は助かりました
てことで、この話はおしまいです!』
本気で心配してくれたのだろう
だからといって盛長のせいではない
今回の戦で得るものはあった
(これ以上心配かけたくないしね)
『あ、そういえば
私といた兵たちは無事ですか?』