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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第12章 信念




「頼朝公のいない戦は
俺にとって無価値だ

そんな中で味方を手当てしてくれた
丸腰の女を殺すことはできない」


(きっと私を殺さないことに
義経様にとって一利もない)


それなのに



どうしても義経様の心理が掴めない



安心したためか
ズキリと手が痛む


(あ、そっか
刀素手で掴んじゃったんだった)


白刃取りでも習っておけば良かったか
などとその時のことを思い出しながら
手に薬を塗り包帯をまいていく

(あ)

『…………そういえば、
義経様は今日の戦に
「気まぐれで参加したって」仰ってましたけど』


「縁のあるものに頼み込まれた

向こうも俺が承諾するとは
思ってなかったのだろう
酷く驚いていた

懇意に答えるのはやぶさかではない

すぐに動ける手勢だけを連れて、
肩慣らしも兼ねて参じたという訳だ」



『そう、だったんですか』

「幕府の兵が来ていると知れば、
もう少し兵を連れてくるべきだったな」


(てことは
幕府も反乱軍も、お互いが
参戦するのを知らずにいたってことか)



「頼朝公にとって、
あなたは大事な鍵となる人物だ
大事に手元にとっておくと思ったけれど……」

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