第12章 信念
『っわかりました!』
は慌てて立ち上がり、
傍らに落ちた桶を抱え直す
義経の隣に並び、小屋へと歩き出した
(ひとまずは殺されずに済んだみたいだけど)
ちらりと視線だけ義経に向けて
様子を窺う
「………」
あやかしに襲われた時
助けてくれた時も
2度目に再開した時も
さっき刀を私に向けた時、
怪我人のことを聞いた時
(ずーっとおなじ顔)
何を考えているのだろう
(んー、全然分かんないな)
(今ここに義経様がいるということは
急に悪化にした戦況が落ち着いて
迎えが来てくれるかもしれない)
今はとにかく怪我人の手当が優先!
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「あ、……義経さま?」
(え………?)
小屋に到着するなり、
部屋の隅で蹲っていた兵が目をみはる
「──やはり」
(あ)
は混乱しつつも
その時の表情を見逃さなかった
(一瞬だけだけど)
泣きそうな顔だった──