• テキストサイズ

イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第12章 信念




ぐっとお腹に力を入れて、
ゆっくりと口を開く


『味方とはぐれて避難した場所に
酷い怪我をした兵がいて……

早く手当てしないと駄目なんです

だから、お願いします

刀をひいてください!』


「──……」


真意を探るように、じっと見つめられる



(義経様にとって
狐憑きは邪魔な存在

怪我人に構わず、
斬り捨てられるかもしれない)



でも、それでも──────!





真っ直ぐに義経様を見つめる









「──そうか」



(え──────)




ややあって刀が引かれる


ぽたぽたと手から滴る血を
ぼーっと眺めた


(た、助かった……の?)



もう片方の手で
血の着いた手を抑える



義経は刀を鞘に納めると
に向き合った



「立て。
俺も怪我人の元へ行こう」

『え?』

「聞こえなかったのか?」

『いえ!ばっちり聞こえてました!』

(聞こえてはいたけど…)



なんで?



義経が一緒に来る理由が分からない




「では早くしろ
一刻も早く手当てをしなければいけないという
言葉に偽りがないのなら」



/ 320ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp