第11章 ピンチ!
「いいだろう
ついでに狐憑きの練習用に
妖を用意しておいてくれ泰親」
「承知しました
手頃の妖は帰ったら沢山いるので!」
(虫でも捕まえるような感覚で言うなぁ)
こういう時頼朝様は
私の気持ちを汲んでくれる
それが少し嬉しい
『とは言ったものの……
怖いものは怖いー!!』
戦の最中
は残って
兵達を手当していた
今は負傷兵の手当が終わり
追加の薬を作っている最中なので
の叫びは虚しく
こだまするだけであった
(ここも安全とは言いきれないからって
笑顔で盛長さんも言ってたし)
『薬いっぱい作ったけど
みんな大丈夫かな』
今回の戦に参加する
顔見知りなのは盛長のみとなっていた
(そこまで大規模な戦じゃないって
頼朝様も言ってたっけ)
幕府に謀反を企むお偉方の
小さな戦だった
(でも、それにしては)
長引きすぎている
(それに)