第1章 はじまり
『?あの??』
「変わった格好をしているな」
(変わった格好をしてる人に
言われてしまった!!)
『え、ええと』
「そういえばこんな夜更けに
女ひとりでここで何をしていた?」
『家に帰る途中で…』
「家?森の中にか?」
『森?』
見渡すと木々が生い茂っており
さっきまでいたコンクリートの道は
消えていた
『えっここどこ!?』
「分からないのか?」
『は、はい』
(どうして…何が起こってるの?)
パニックになり混乱していると
ふと手を取られた
「分からないのなら
俺と来るか?」
『え』
「またあやかしに襲われるかも
しれない
女性一人では何かと不安だろう」
『で、でも』
「天幕がひとつ空いているから
使うといい」
『天幕……』
(撮影でもしてたのかな
それでここでキャンプしてたとか?)
「嫌だろうか?」