第10章 尋問
「さっきみてーに
ぶっ倒れられても迷惑なんだよ」
頬杖を着いたまま
フイっと目線を逸らす頼朝
(あれ?)
それってまるで
私を心配してるような
(気の所為だよね)
相手は腹黒征夷大将軍だぞ
騙されるな!
『ありがとうございます』
「難儀なもんだな
お前の体質」
『もう慣れました』
傷つくのは私だけでいい
私のせいで周りが傷つく方が嫌だった
だからこの力も身につけた
違う
私は……
この力さえあれば
誰かが隣にいてくれると
思ってしまったんだ
(慣れても傷は着くもんだ)
だから
あの人を見た時少し嬉しかったんだ
同じような苦労をした人がいたから
義経様はどう思っているんだろう
今、何をしてるのかな