第10章 尋問
『はい。』
「にしても
そんなことだろうとは思ってたが
何であぁまで隠したがった?」
『え?
思ってた?
じゃあ何さっきのやり取り』
「からかっただけだ」
しれっと言い放つ頼朝
(この腹黒征夷大将軍め)
『あんまり人には言わないようにって
言われてたんですよ
悪用されるかもしれないから
この時代は知りませんが
私の時代はこんな力が使えると
誰かに知られた暁には
誘拐されて実験台にされてたかも
しれないんです』
「そっちの時代も
かなり物騒だな」
『刀や弓は禁止ですけどね
どの時代にも闇はあります』
「お前の事情はわかった
戦で使うのは狐憑きの力だけでいい」
『?
使わなくて、いいんですか?』
「は?
知られたくないんだろ?
戦で使ってみろ
あっという間に知られ渡るぞ」
『…それは、そうですね』
「あまり兵を驚かせて
士気を下げるかもしれねえ
それに、」