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【黒バス】フェアーテールの前日譚【パラレル】

第2章 カウンターパートの赤いやつ


正直なところ、和泉の心配の理由が、緋那にはよくわからなかった。


百戦百勝。
その言葉をそのまま体現しているような存在が、緋那の知る赤司征十郎という男である。

だからこそ緋那は、今まで赤司の二番手という立場に甘んじてきたのだ。
間近で彼を見てきた身としては、赤司が何かに負ける姿が想像できなかった。


相手が、たとえ形のない敵意だったとしても、こいつならば勝つだろうという、どこか確信めいたものが緋那の胸にはあった。




「赤司なら大丈夫だ」

今にも泣きそうな顔をしている和泉の肩に、そっと手を置く。

「好きなんだろ。だったら信じて、待っててやれよ」

緋那の言葉に、和泉は僅かに頷いた。

そして、改めて赤司を見る。
白を基調とした病室の中で、彼の燃えるように赤い髪だけが、和泉の目に眩しく映った。

泣いても喚いても、赤司が目を覚ますかは本人に懸っている。
できることは、傍にいてやることぐらいしかない。


私が、しっかりしなくちゃいけないんだ。


好きな人を守るためなら、きっと私は




――――なんだってできる。
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